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富士山の入山許可がない時でも罰則はない?登山届の提出について

富士山の入山許可がない時でも罰則はない?登山届の提出について オールシーズン

富士山って入山許可がなくても登れるの?

登っても罰則はないのかな?

罰則はないけど、全て自己責任になるみたいね。

今回は、富士山の登山届について紹介するわ!

富士山登山を計画中、またはすでに具体的な計画を立てている皆さん、「登山計画書」と「登山届」についてご存知でしょうか?

「登山計画書」は、同行者の氏名や住所、緊急連絡先、スケジュール、装備品などを記載したもので、旅行のしおりのような役割を果たします。

この計画書を「登山届」として入山前に提出することで、万が一のアクシデント時にその登山者の情報を把握するための重要な資料となります。

富士山の適正利用ガイドライン

2013年7月に制定された「富士山における適正利用推進協議会」のガイドラインは、環境省や山梨・静岡両県、地元市町村、観光事業者などで構成されています。

このガイドラインは、自然環境の保全や遭難事故の防止を目的としており、特に夏山期間(7月上旬~9月上旬)以外の登山については、「十分な準備をしない登山者は登山を禁止する」とし、登山の自粛を強く求めています。

これは、富士登山に関する初のガイドラインです。

ガイドラインの内容

ガイドラインでは、夏山期間以外の登山の危険性や厳しい気象条件を図表で説明しています。

また、救護所や山小屋、トイレが閉鎖されることを挙げ、

  1. 十分な知識や準備がない登山者の登山禁止
  2. 登山計画書の提出義務化
  3. 携帯トイレの持参と持ち帰り

をルール化しています。

強制力や罰則はありませんが、「禁止」という強い表現を使うことで不用意な登山を防ぐ狙いがあります。

「万全な準備」については明確な基準が設けられておらず、登山者に自己判断を求めています。

登山計画書を提出する際に、警察署が不十分と判断すれば指導が行われることもあります。

また、睡眠を取らずに山頂を目指す「弾丸登山」の自粛など、夏山期間の登山者向けの注意事項も含まれています。

冬季登山の規制

2013年3月、富士登山者の安全確保策として同協議会事務局がガイドラインの素案を提示しました。

この素案では、「夏山期間以外の時期は安全を確保できないため登山をしない」とし、冬季の富士登山を禁止すると明記しました。

しかし、冬季にも入山する登山者がいるため、富士山入山届出票を作成・提出することも求めています。

冬季の登山を規制する背景には、遭難者が10年間で倍増していることがあります。

特に静岡県側では冬山期間に遭難が相次ぐため、同県が登山の全面禁止をガイドラインに盛り込むよう提案しました。

しかし、登山禁止に法的拘束力はなく、富士山入山届出票の提出も任意で罰則はないため、「現実的でない」などの意見が出て、継続協議となりました。

その後、「万全な準備をしない登山をガイドラインで原則禁止する」という方向で調整が進められました。

法的拘束力はないものの、「禁止」という表現を残すことで、冬山期間の遭難防止を図ることとしました。

2015年の改定

2014年に富士山火口周辺でスノーボードをしていた男性が滑落死した事故を受け、スキーやスノーボードによる滑走を禁止することが2015年の改定で明確に示されました。

また、突発的な噴火に備え、ヘルメットや防塵マスク、ゴーグルの持参を推奨することも明記されています。

ガイドラインの周知

ガイドラインは「富士山オフィシャルサイト」や山梨・静岡両県のホームページで閲覧可能です。

また、ガイドラインを周知するためのリーフレットも日本語版、英語版、中国語版、韓国語版が作成され、登山用品店や旅行代理店、空港などで配布されています。

登山届の義務

登山届とは、行動中のルートや装備、メンバーなどを記入した書類で、万が一遭難した際に迅速に捜索を行うためのものです。

日本の山岳遭難者数は増加傾向にあり、2021年には3075人を数えました。

この増加に伴い、2010年ごろから登山届の提出を義務化する条例を施行する自治体が増えています。

登山届を提出する方法

登山届は、登山口にあるポストに投函したり、FAXやメールで送るなど様々な方法で提出できます。

最も便利なのは、ウェブサイト「コンパス」を利用することです。

スマホで簡単に作成でき、予定時刻を過ぎても下山しない場合は、家族や知人に自動的に連絡がいくシステムになっています。

ただし、全国すべての自治体でコンパスによる登山届を受け付けているわけではないので注意が必要です。

知っておきたいこと

捜索が開始されるのは、警察などに家族や知人からの要請があってからです。

登山届を提出する場合は、必ずコピーを家族か友人に渡し、「予定までに下山しない場合は、捜索要請をお願いします」と伝えておくことが大切です。

登山届提出が義務化されている山域(2023年1月現在)

都道府県山域期間罰則の有無
群馬県谷川岳周辺3/1~11/303万円以下の罰金
新潟県新潟焼山通年5万円以下の過料
長野県122の指定登山道通年なし
山梨県富士山、八ヶ岳、南アルプスの一部12/1~3/31なし
富山県剱岳周辺12/1~5/155万円以下の罰金または過料
岐阜県北アルプスの一部、白山、乗鞍岳など通年、12/1~4/155万円以下の過料
石川県白山通年5万円以下の過料

登山届を出さないと罰金が科せられる場合もありますので、注意が必要です。

富士山は入山許可がなくても罰則はない まとめ

2019年12月1日より、冬季の富士山登山において標高3000m以上(約八合目以上)の登山届が義務化されました。

なお、標高六合目以上では努力義務となっています。

夏季の富士山登山では登山届の義務はありませんが、登山のマナーとして登山届を提出したり、身近な人に登山の日程を伝え、下山時にも無事を報告するようにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!