よく電車では降りる人が先だよ。って教わるよね。
でも、あれ誰が考えたことなんだろ？
それは確かに謎だけど、日本独自のルールらしいわ。
今回は、降りる人が先と言われる理由など紹介するわね！
朝の通勤電車を支える乗客たちの行動、例えば「整列して乗車する」「先に降りる人を優先する」といった行動は、いつから始まり、どのようにして広まったのでしょうか。
鉄道の混雑を乗り切るための乗客の行動マナーを探ります。
電車で降りる人が先と言われる理由
例を挙げてみましょう。
ある朝のラッシュ時、駅に急いで乗り込む乗客が原因で電車が予定より5秒遅れたとします。
この小さな遅れが次々に積み重なり、終着駅に到着するまでに総計で2分30秒の遅れが発生します。
この遅れが輸送能力の4％減少を意味することからも、乗客のマナーがいかに重要かがわかります。
乗降マナーはどのようにして生まれたのか
乗降マナーは、特に誰かが教えるものではありません。
では、このような通勤時の行動はどのようにして生まれ、共有されてきたのでしょうか。
1920年代に始まった通勤ラッシュ
1920年代、都市部で働くサラリーマンの増加と共に、通勤ラッシュが顕著になりました。
電車の車両数が増え、乗客のスムーズな乗降のための努力が始まります。
しかし、自動ドアのない時代には、乗客がドアを開けて乗り降りする光景もよくありました。
スムーズな運行を実現するためには、乗客の協力が不可欠でした。
「交通ルール」の呼びかけ
昭和初期、鉄道の利用者数が急増すると、「一降り二乗り、三発車」といった乗降マナーの徹底が呼びかけられました。
駅や新聞などでマナーキャンペーンが行われ、駅員や学生が乗客に向けて呼びかけるなど、さまざまな啓蒙活動が展開されました。
整列乗車の始まり
整列乗車は、1947年に渋谷駅で始まったとされています。
戦後の混乱を経て、乗降マナーの再構築が求められました。
これらの努力が、現在に繋がる乗降マナーの基礎を築きました。
乗降マナーの現状
現在でも「扉付近での動かない行動」や「降りる人を待たずに乗り込む」など、乗降時のマナー違反は依然として問題とされています。
しかし、これらの行動は長年の間に培われ、現在の鉄道システムが機能する基盤となっています。
事実、数多くの乗客と運行本数を誇る今日の鉄道輸送が、一定の秩序のもとで運営されているのは、長い時間をかけて乗客自身が獲得してきた行動規範があるからこそです。
マナーは誰に教わったものでもない？
これらの行動規範やマナーは、明示的に教え込まれるものではなく、日々の通勤や通学の中で、周囲の人々の行動を見て学び、自然と身につけられたものです。
そのため、これらの行動は時と共に少しずつ変化してきましたが、基本的な考え方は今も昔も変わらないことが多いです。
乗降時のスムーズな流れは、すべての乗客が快適に旅をするために不可欠なものであり、そのためには互いに配慮し合う文化が根付いていることが重要です。
それぞれの時代や社会の変化に応じて、新しいマナーやルールが生まれることもありますが、その根底には常に「共に快適な旅をしよう」という思いが流れています。
今後もこの文化は続いていくでしょうし、私たちは新しい時代に合わせて、適切な行動を模索し続ける必要があります。
訪日外国人が驚く「日本特有の鉄道エチケット」
日本の鉄道システムは、その正確な時刻表通りの運行と安全性で高い評価を受けています。
たとえば、1分の遅れがあるだけで車内放送があるほどですし、網棚に荷物を置いたり、車内で眠ったりしても安心して利用できます。
これらの利点は、訪日外国人からも高く評価されています。
しかし、これらを支える日本独自の鉄道エチケットに、外国人が戸惑うことも少なくありません。
車内での通話
例として、車内での通話が控えられるべきとされている点が挙げられます。
このようなルールは日本以外では珍しいものです。
また、日本の都市部の満員電車を想定した特有のエチケットもあります。
エチケットは、他人への配慮から生まれるものであり、法的な義務に基づくものではありません。
そのため、公共の場で不適切と感じる行動は、国や文化によって異なることがあります。
駅と電車内の迷惑行為ランキング
日本民営鉄道協会が加盟する全国の私鉄72社による調査では、「駅と電車内の迷惑行為ランキング」が公表されています。
この統計によると、座席の座り方や騒々しい行為、乗降時のマナー違反などが上位にランクインしています。
これらの迷惑行為のトップは年々変動はあるものの、常に同じような内容が上位に並びます。
1999年以降に問題視されている行為とは？
一方で、1999年にアンケートが始まって以来、携帯電話の使用や歩きスマホといった行為が問題視され続けています。
また、「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」行為も近年上位にランクインし続けており、新型コロナウイルス感染症の流行以降は、「マスク未着用」や「車内の換気」など、感染症対策に関連する項目についても利用者の意識が高まっています。
これらのエチケットやマナーは、日本の鉄道を安全で快適に利用するための重要な要素であり、訪日外国人にとっても理解しやすいように、引き続き情報提供や啓発が求められています。
電車で降りる人が先というルールはない まとめ
ラッシュ時間帯の混雑が少なくなり、列車の遅延も減少しても、通勤や通学の時間帯は引き続きストレスを感じるものです。
しかし、駅や電車内といった公共空間を利用する際に、他の利用者への配慮を心掛けることで、鉄道の利用体験はさらに改善されることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました！
