車間距離って空けすぎても違反になるのかな?
あおり運転の逆バージョンの違法性が知りたい!
流れに乗らない点では迷惑行為だけど、違反ではないみたいね。
今回は、適切な車間距離について解説するわ!
運転中は、前方の車が急停止しても追突しないように、常に安全な車間距離を保つ必要があります。
適切な車間距離を保てずに前の車に接近すると「あおり運転」と見なされることもあります。
この記事では、安全な車間距離の目安や、車間距離不保持違反について説明します。
車間距離の空けすぎは違反になる?
車間距離の空けすぎは交通違反には該当しません。
ただ、法定速度(制限速度)未満で走行すると、以下の道路交通法に違反する可能性があります。
- 道路交通法 第20条
- 道路交通法施行令 第9条
速度の遅い車は、一番右側以外の車線を走行する必要があります。
違法ではないですが、流れにある程度乗った方が周りの迷惑にならないかもしれませんし、割り込まれる可能性もあるので、こちらも危険な運転と言えるでしょう。
車間距離とは
車間距離とは、走行中の車が前の車との間に保つ距離のことを指します。
道路交通法第26条では、前方の車が急停止しても追突しない距離を保つことが定められています。
車間距離は、路面やタイヤの状態、速度、運転者の反応速度によって異なりますが、目安となる距離があります。
車間距離不保持違反について
前の車と適切な車間距離を取らずに接近することは、車間距離不保持違反に該当します。
一般道での車間距離不保持は「車間距離不保持違反」、高速道路では「高速自動車国道等車間距離不保持違反」となります。
車間距離不保持違反の罰則は、一般道では5万円以下の罰金、高速道路では3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。
違反点数と反則金も確認しておきましょう。
一般道における車間距離不保持違反
車種 | 反則金 | 違反点数 |
---|---|---|
大型車 | 7,000円 | 1点 |
普通車 | 6,000円 | 1点 |
二輪車 | 6,000円 | 1点 |
原付 | 5,000円 | 1点 |
高速道路における車間距離不保持違反
車種 | 反則金 | 違反点数 |
---|---|---|
大型車 | 12,000円 | 2点 |
普通車 | 9,000円 | 2点 |
二輪車 | 7,000円 | 2点 |
特に高速道路では、車間距離不保持は非常に危険であり、警察による取締りも強化されています。
警察庁の統計では、平成30年の車間距離保持義務違反取締件数13,025件のうち、高速道路での違反が11,793件を占めています。
安全な車間距離の目安
運転中は、前方の車が急停止しても追突しないような安全な車間距離を保つことが重要です。
特に大型車は運転席が高いため、実際よりも車間距離が長く感じられます。
以下は一般道と高速道路での安全な車間距離の目安です。
一般道での車間距離
-
乾燥した舗装道路の場合
-
速度30〜60km/hの場合:速度計の数字から15を引いた距離(m)
-
速度60km/h以上の場合:速度計の数字と同じ距離(m)
-
高速道路での車間距離
- 路面が乾燥していて、タイヤが新しい場合
- 時速100km:100m
- 時速80km:80m
- 路面が濡れている場合やタイヤがすり減っている場合
- 上記の約2倍の距離
高速道路では、車間距離確認表示板やデリニエーター(視線誘導施設)を活用して、適正な車間距離を保ちましょう。
「車間距離」を時間で測る方法
これまで広く知られていた、速度と同じ数値を基準に車間距離を保つ方法には、いくつかの欠点があります。
例えば、車や人によって距離感に誤差が生じることや、適切な目印がないと実行しづらいことなどです。
「高速道路調査会」の報告によれば、100km/hで走行中に100mの車間距離を取ると、割り込みが発生して逆に危険度が増し、混雑時は車間距離が短くなり一層危険な状況になると指摘されています。
そこで導入されたのが、車間距離を時間で捉える方法です。
欧米では、車間距離を「距離」ではなく「時間」で測る考え方が普及しています。
時間で測る車間距離
前を走る車が道路上の目印(例えば標識や電柱)を通過した時点から、自分の車が同じ目印を通過するまでの時間を測ります。
混雑時は約2秒、混雑していない場合は2秒以上、大型車などは3秒以上の時間を目安とすることが推奨されています。
この方法は日本の各地の警察でも取り入れられており、埼玉県警は「ゆとり車間距離『0102運動』(ゼロイチゼロニ運動)」として実施しています。
車間距離2秒の測り方
前の車が目標地点(例えば電柱や照明灯)を通過する瞬間を「0」とし、自分の車が同じ目標地点を通過するまでに「2秒以上」数えることができれば、車間距離が2秒以上保たれていることになります。
前の車や走行スピードによっては、2秒ではなく1秒プラスして3秒の車間距離を保つ方が良いという考えもあります。
大分県では、空走距離と制動距離を合わせて約3秒を車間距離の目安とすることを推奨しています。
この方法は危険を察知し、ブレーキを踏んで車が停止するまでの時間を考慮したものです。
車間距離は空けすぎは違法でなくても事故に繋がることはある まとめ
車間距離が近すぎると、前方の車に「あおり運転」と誤解されることがあります。
一方で、車間距離を広くとりすぎると割り込みの原因となり、交通の流れを妨げることにもつながります。
適切な車間距離の目安として、前方の車から2~3秒の間隔を保つことを覚えておくと良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!