どうして車掌車は消えたの?ワンマン運転と仕事がなくなったのが理由 | トレトレの昨日の?を今日で解決!
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どうして車掌車は消えたの?ワンマン運転と仕事がなくなったのが理由

貨物列車から車掌車が消えた理由 車関係

僕の小さい頃はまだ車掌車があったように思うけど。

車掌車が消えた理由はなんだろ?

ワンマン運転によって、仕事自体が無くなったかららしいわ。

今回は、どうして車掌車が消えたのか、理由を紹介するわね!

昔は貨物列車には車掌車がありましたが、現在ではワンマン運転などが理由で消えてしまったようです。

今回は、どうして貨物列車から車掌車が消えたのか、理由などご紹介します!

どうして車掌車は貨物列車から消えたの?

昔は、貨物列車にも車掌がいて、専用車両の「車掌車」も連結されていました。

車掌車が無くなった理由は、後述しますが、ワンマン運転が一般的になったこと、貨物列車の運行形態が変わったからなどがあります。

そもそも、2023年現在では、貨物列車は工場や貨物駅どうしを直行するとの原則があり、旅客駅に停車したとしても、そこで貨物の積み下ろしはしません。

ただ、車掌車がまだあった国鉄時代、具体的には1984年までは、旅客駅や操車場に貨物列車を停めたり、貨物を積み下ろしたりなど、発着する貨車の連結や解放を行っていました。

つまり、車掌の仕事は、機関士に連結や解放の指示をしたり、発車合図を出す列車係、駅や操車場で所定の貨車を切り離せたかの確認、新たに連結した貨車はどこまで行くのかなどを記録するなどがあり、意外と多忙だったんですね。

なので、1984年までは、業務を円滑に行うために、貨物列車の最後部には車掌車を連結させるのが常でした。

では、1984年以降に車掌車が消えた理由をいくつかご紹介します。

ワンマン運転が一般的になったから

ワンマン運転とは、1つの列車に運転士だけが乗務して、車掌の乗務がない運転形態を指します。

1984年以降このワンマン運転が急速に普及しましたが、実はこれは、鉄道事業者に無制限の裁量が与えられているのではなく、法令上のルールがあったんです。

鉄道係員職制第9条、第11条によると、車掌は「列車の運転取扱い、旅客及び荷物の輸送並びに車内の秩序保持の業務に従事」する者を指し、運転士は「列車の運転の業務に従事」することと決められています。

車掌の業務の中には、重要な役割として「列車防護」もあります。

ただ、昔の法令から、現在の第106条にある「列車の停止を必要とする障害が発生した場合は、列車の非常制動距離を考慮し、停止信号の現示その他の進行してくる列車を速やかに停止させるための措置を講じなければならない」になったことから、以前のような列車防護係員原則乗務はなくなりました。

また、ワンマン運転をするに満たさなければならない条件(省令第86条第1項)が同時に決められたことで、昔よりも規定が緩くなった感じです。

貨物列車の運行形態が変化したから

1984年のダイヤ改正以降、国鉄の貨物列車は旅客駅や操車場での貨物扱いを順次やめていき、貨物駅間や工場間を直行する運行形式にと変更されます。

この運転方式に変わったことで、途中の駅で貨物を連結や解放する必要がなくなり、車掌の書類仕事は原則必要なくなりました。

また、ブレーキシステムや保安システムの進化などの影響で、保安業務が機関士1人でできるようになり、車掌車の存在意義がなくなり、車掌の仕事も必要なくなったというわけです。

車掌車が残っているケースも

旅客列車ならば車掌の業務として、アナウンス、ドアの開扉、列車防護などの保安業務など多くありますが、貨物列車には旅客が乗っていないため、駅ごとにドアを開ける必要もないですよね。

それらの理由に加えて、上記でご紹介した車掌業務が1人でできるようになったなどの理由で、車掌車は消えていきます。

ただ、車掌車は完全に消えたわけではなく、巨大な変圧器などの輸送に使われる「特大貨物」には車掌車が連結されているそうです。

とはいえ、車掌車に車掌が乗っているわけではなく、乗車しているのは変圧器メーカーの係員で、添乗するための車両として連結させているに過ぎません。

また、新造した車両を鉄道会社までの輸送に使われる「甲種輸送」にも車掌車は連結されますが、途中で長時間の留置が必要になるケースなど、車掌車でブレーキを動かし、輸送中の車両が動かないようにする役割があります。

ただ、ここでもブレーキシステムの改良の結果、車掌車の連結は必要なくなり、甲種輸送における車掌車の連結はめったに行われないようです。

車掌車が消えた理由はワンマン運転などにある まとめ

それでは、どうして貨物列車から車掌車が消えたのか、また消えた理由には何があるのかなどご紹介してみました。

車掌車が消えた理由の多くは、ワンマン運転が可能になったことで、仕事そのものが無くなって、合理化推奨されたことが考えられます。

ブレーキシステムの向上などは嬉しいことですが、それにより車掌の仕事がなくなったのは悲しいことですね。

現在ではめったに見られない車掌車ですが、今後復帰の可能性は低く、もしかしたら、運転士すらいない電車が出てくる未来は見られるかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました!