昭和の時代って、車に馬のひづめがあったって本当?
でも、そもそも何のため?
謎の昭和カスタムだけど、意味もちゃんとあるみたい。
今回は、車に馬のひづめは何のために付いているのかを紹介するわ!
現在ではほとんど見かけなくなりましたが、かつては車のフロントグリルに馬の蹄鉄を飾ることが一般的でした。
この風習には一体どんな意味があったのでしょうか。
グリルに馬の蹄鉄、その理由とは?
画像引用元:ECナビ
1970年代から90年代にかけて、馬の蹄鉄を車のフロントグリルに取り付けることが流行していました。
この習慣にはどのような背景があるのでしょうか。
ヨーロッパでは古くから、蹄鉄は魔除けや幸運のお守りとして使われてきました。
地域によっては玄関に蹄鉄を飾る習慣があり、アクセサリーデザインにも取り入れられています。
蹄鉄の向きには意味がある?
蹄鉄の向きには意味があり、U字の開いている部分を上向きにすると「幸運を受け止める」、下向きにすると「悪いことを避ける」という意味があるとされています。
車に取り付ける場合は上向きが一般的ですが、アクセサリーなどでは下向きも見られます。
また、日本では「馬は人を踏まない」という言い伝えもあり、「歩行者を轢かない」「車をぶつけない」という交通安全の願いも込められていたそうです。
現在では車のグリルに蹄鉄を装着する人は少なくなりましたが、車内に飾るお守りとして蹄鉄デザインのアクセサリーはまだ販売されています。
形を変えながらも、蹄鉄のお守りは今も需要があるのです。
蹄鉄の歴史と文化
蹄鉄はおよそ2500年前に欧州の一地方で発明されました。
それ以来、馬の蹄を保護するための重要な装具として、その基本的な構造をほとんど変えずに現在に至っています。
現代では自動車の普及により、馬は運搬や動力源としての役割をほとんど失いましたが、かつては人々の生活に欠かせない存在でした。
特に欧州では、蹄鉄は魔除けや幸運を呼ぶお守りとしての伝統が今でも残っています。
地域ごとの伝承
馬の蹄鉄にまつわる伝承を以下にご紹介します。
イギリス
ある時、悪魔が鍛冶屋を訪れて悪戯をしようとしました。
しかし鍛冶屋は、作っていた蹄鉄の中にその悪魔を閉じ込めて難を逃れたという伝説があります。
それ以来、蹄鉄は門口に飾られるようになり、悪魔除けのお守りとして珍重されるようになりました。
また、蹄鉄を装着することで馬の運動能力が飛躍的に向上し、鍛冶屋は尊敬を集めました。
こうした背景が、蹄鉄が魔除けとして広まるきっかけとなりました。
ギリシャ
古代ギリシャでは、王侯貴族が金や銀で作られた靴を馬に装着し、街中をパレードすることがありました。
これが蹄から脱落すると、拾った人がその靴を所有できるという風習がありました。
このことから、馬の靴を拾うと裕福になるという伝承が生まれました。
当時は、現代のように釘で打ち付ける蹄鉄ではなく、サンダル型の靴をひもで縛り付ける方法が一般的でした。
また、王侯貴族は自分の馬の後をついてくる人々を増やし、威厳を示すためにこの慣習を利用しました。
日本
日本で蹄鉄が使われるようになったのは明治6年以降で、その歴史は浅いです。
そのため、欧州のような伝承や逸話はほとんどありません。
ただし、「馬は人を踏まない」という信念から、一部の人々が蹄鉄を車に取り付けて交通安全のお守りにしています。
交通安全の目的で蹄鉄を用いるのは日本特有の文化です。
蹄鉄の取り付け方
蹄鉄を飾ったり車に取り付ける際は、蹄鉄のU字型を下向きにするのが一般的です。
これは、呼び込んだ福が逃げずに溜まるようにとの願いが込められています。
車に馬のひづめがある理由は運気アップのため? まとめ
かつてメルセデスに所属していたF1レーサー、スターリング・モスは自身の車に幸運のシンボルとして蹄鉄を描いていました。
モスが2020年4月に亡くなった際、メルセデスチームは敬意を表し、ルイス・ハミルトン選手とバルテリ・ボッタス選手の車に蹄鉄を描いてF1の70周年記念イベントに参加しました。
最後までお読みいただきありがとうございました!